ただし、俺が斬る
ただし、俺が斬るまで死ぬことは許されねえってことだからな」
土方がそう返せば、<a href=https://cutismedi.com.hk/expert/24/%E5%8E%BB%E7%9A%BA%E5%A5%87%E8%B9%9F style=color:#222222;text-decoration:none;>去皺紋</a> そういうことになりますかと沖田はまた笑う。笑いながら、コホコホと咳をした。
再度見上げた雲は疎らに千切れては、
沈黙を破ったのは沖田だった。空から視線を逸らさずに静かに口を開く。
「……土方さん。もしもの話ですが」
土方はそんな沖田へ視線を移した。だが、その表情からは今ひとつ感情を読み取れない。沖田総司という人間は昔からそうなのだ。人懐こく誰彼構わず笑いかける癖に、心の内を中々見せようとしない。
「ん」
「もしも、私が床に伏せて動けなくなって、使い物にならなくなったら……貴方が斬ってくださいよ」
沖田の言葉に、土方は目を細めた。月を見ていた沖田の視線がやっと土方へ向き、その口元には淡い笑みが浮かべられている。
「馬鹿言えよ、そんな日が来るもんか」
土方は即答した。それを聞いた沖田は一瞬真顔になるが、たちまち笑い声を上げる。っている。まるで人の運命のように、ゆっくりと、けれども確実に動き出していた。 その後、直ぐに土方は松本に言われた通りの環境を整える。天候の良い日を狙って隊士全員の布団を全て干させ、万年床を禁止にした。そして豚小屋、風呂桶を三つと脱衣所を備えた湯殿を完成させた。
数日後に再度屯所を訪れた松本は、それに大層驚く。そして新撰組をいたく気に入り、主治医になることを名乗り出たという。
ある日、一番組は巡察を終えて帰営した。桜司郎は山野や馬越と共に足を洗いに行こうと屯所へ向かう。その時、少し離れたところに松原が佇んでいるのを見付けた。
「忠さん……、最近様子おかしいですね」
「だよなァ。何かあったのかねぇ?」
馬越と山野は顔を見合わせる。その時、桜司郎の脳裏に何か話したがっていた松原の様子が浮かんだ。あれ以来隊務が合わず、中々鉢合わせなかったのである。
「ちょっと行ってみる」
桜司郎はそう言うと、松原へ近付いていった。山野と馬越もその後を追う。
足音に気付いたのか、松原は振り返った。その目元には大きな隈が出来ている。三人を見るなり、へらと笑った。
「忠さん、その目……どうしたの。すごい隈だよ」
「んん……ちぃと夢見が悪うてのォ。大したことあらへん」
気丈に振る舞う松原は何処か痛々しい。これでは巡察で斬り合いになれば命に関わるだろう。それ程までに憔悴して見えた。
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