「三津,すまない。

「三津,すまない。無理ばかりさせて。あと,九一と玄瑞の相手をありがとう。」


 


 


あれから忙しくてほとんど構ってもやれてないし気にかけてもやれてない。それでも三津が多少無理はしていても,前へ進んでくれているのが救いだった。


 


 


「いえ,確かにまだ思い出したら泣いてまうけど吉田さんは私に生きる意味を遺してくれたんで。」


 


 


『驚くほど強くなった……。』


 


 


吉田がしっかりと三津の後ろについてるような気がした。<a href=https://cutismedi.com.hk/expert/10/BOTOX%E5%8E%BB%E7%9A%BA%E9%87%9D style=color:#222222;text-decoration:none;>【BOTOX 去皺針】2-7天消除動態紋 - Cutis</a>


何だか自分の知っている三津が遠くへ行ってしまったような気がして心なしか寂しかった。


 


 


久しぶりの家に着くと桂は急に疲れが押し寄せて居間に座り込んだ。


 


 


「ようやく休める気がする……。」


 


 


「お疲れ様です。」


 


 


三津はその傍らに正座してぽんぽんと自分の太ももを叩いた。


 


 


「ありがとう。遠慮なく。」


 


 


膝枕をどうぞの合図だと分かると桂はいそいそと頭を乗せて目を閉じた。体が馬鹿みたいに重くてもう動きたくなかった。


だが三津とゆっくり過ごす前に話さなければならない事がある。「三津このままで聞いてくれるか?」


 


 


「はい,聞く覚悟は出来てます。」


 


 


「覚悟……そうだね三津からすればそれなりの覚悟がいる内容になるか……。


知っての通り今の我々は非常に厳しい局面にある。その上身内同士で意見が割れてどうしようもない。まとめきれない責任は私にあるんだが……。」


 


 


桂はふぅと息を吐いた。ここで改めて桂の背負う責任の重さを三津は知った。


 


 


「君を連れて来ておいて何も出来ず,辛い思いをさせてるだけなのはどんなに償っても償いきれない。本当に申し訳ない……。


でもこの家で君と過ごす時間は何よりも幸せでかけがえの無い物だ。だから三津にはこの家を守ってほしい。」


 


 


「家を守る……。」


 


 


「そうだ。ここがあれば私はどんな逆境にも打ち勝つ事が出来る。必ずここへ帰って来るんだと強い意志で生き延びられる。だからこの空間を守って私の事を信じて待っていて欲しいんだ。」


 


 


「小五郎さんがそう望むなら私はその望みを叶える為に努めます。留守番しか出来ないと思われてるようで釈然としませんが。」


 


 


少し不貞腐れた顔の三津に桂は苦笑した。


 


 


「そんな卑屈にならないでくれ。」


 


 


桂は体を起こして三津の頬を両手で包んだ。


 


 


「君にしか出来ない大事な仕事だよ。」


 


 


そう言って唇を重ねた。最後に口づけを交わしたのは確か池田屋に行く前だったか。やっと手に入れた至福の時間に酔いしれる時が来た。


一度唇を離して角度を変えて奪いに行こうとした所で三津の手に阻まれた。


 


 


「言っときますけど私辛い思いばっかしてるなんて思ってませんからね。勝手に私が不幸やって決めつけんといてください。


小五郎さんが私にどんな幸せを与えたいのかは分かりませんけど私は小五郎さんに出会えて,想いが通じた。それだけでも幸せなんです。」


 


 


桂はそんな三津を本当に欲がないねと笑った。


 


 


「欲がない訳やないですけど……言い出すときりがないので。」


 


 


その欲が桂を困らせる事なのは分かっているから言わないと決めたんだ。


 


 


「言いつけ通り私はここで信じて待ちます。だから……久坂さんと入江さんのお見送りはさせてもらえますか?」


 


 


「いいよ。その方が彼らの士気も上がる。でも今は私の事で頭の中をいっぱいにしてくれないか?一応二人の時間を過ごすのはだいぶと久しぶりなんだから。」


 


 


桂の甘える素振りに三津は笑みを溢した。相変わらず欲だらけの人だと思いながらその欲を受け入れた。その後も久坂は何度も説得を試みたが受け容れられる事はなく,二人が木島達に合流する為に藩邸を発つ時が来てしまった。


 


 


「……ご武運を。」


 


 


浮かない顔でそれだけ告げて黙りこくった三津の前に入江が立った。同じ目線の高さまで腰を落としてにっと笑う。


 


 


「私には置いて行かないでと泣いて縋りついてくれないんですか?」


 


 


「そんなんしたって行ってしまうの分かってるもん。」


 


 


三津は不貞腐れてそっぽを向いた。これが最後の別れになるかもしれないから本当はこんな態度で見送りたくない。